ぶどう栽培:準備期(1月~3月)

年末年始を楽しく過ごし、いよいよ本格的な農作業の始まりです。
まずやらなくてはならない事は、はやり一年間の計画と、準備です。
今年の収穫量の目標を立て、資材の発注や新しい苗の購入、
寒さに対する対策などなどです。
【苗の購入】
【苗の購入】 毎年古い木や生育の良くない木を
10本程度切ってしまいます。
そこで新しい苗木を購入します。
【新品種】 お客様に喜ばれるぶどうを作るために、
人気のあるものを、年々増やしています。
それだけでは、納得して頂けないので、
新しい品種にチャレンジします。
しかし、土や気候が合わない品種は、
枯れてしまいます。
【防寒対策】
【防寒前】 冬の霜、雪などから木を守るため、
わらを巻いて、防寒します。
特に若木に施します。
【途中経過】 棚下部分から巻いて行きます。
わらは米生産農家から購入します。
【防寒完成】 木全体に巻くだけでなく、根元部分にも
敷きます。
これをする事によって、春の新芽の勢いが
違って来ます。
【萌芽促進】
【萌芽促進剤】

特に大房のぶどうは全ての芽から一斉に
発芽するのではなく、疎らに発芽して
しまいます。
そこで、萌芽促進剤を使用し、均等に
発芽するように手助けします。

【萌芽促進剤】 剪定した枝、一本一本に塗ります。
【作業風景】

年末に一回。1月中旬に一回実施します。

散布しても良いのですが、当園では一本
一本手作業で行います。
ちょっと冷たい作業ですが、これを
やらないと、後々の作業に響いて
しまいます。

【木粕敷き】

【産廃業者】 産業廃棄物業者が住宅を取り壊した時に
出る木材ををチップ状に加工するのですが、
ほとんどが処分されてしまいます。
それをリサイクルの意味もあり、
当園では利用しています。

【ウッドチップ】 湯気が立っているのが解るでしょうか?
木カスが発酵しているのです。
細かなウッドチップとなっています。

 

 

 

【運搬】 運ばれて来たウッドチップを畑内に運びます。
当園自慢の運搬車。
トーマス4WD号です。
【木粕敷き】

黒い部分が木粕です。

これを敷くメリットとしては、
①草が生えにくい
②冬場の(土の)保温効果
③夏場の(土の)乾燥防止などなどです。
ただし、作業的に1ヶ月以上を要します。

【皮剥ぎ】
【皮剥ぎ】 10月頃、一度「皮むき」を行いますが、
それは"木"の部分を中心に行います。
この時期にするのが、"枝"の部分を中心に
皮を剥きます。
水圧の機械等で取り除く農家さんもありますが、
当園では手作業で一つ一つ実施します。
【皮剥ぎ前】 皮剥ぎは、越冬した虫を排除する目的と、皮に
付着した病原菌を取り除く目的があります。
また、これから始まる防除液(消毒)の散布を
より有効にするために実施します。
【皮剥ぎ後】 黒い皮(外皮)を全て撤去します。
ぶどうの木や枝は皮を剥ぐと薄い茶色なのです。
【先端部分】 先端部分まで丁寧に皮を剥ぎます。
全ての枝を終了するのに約1ヶ月程掛かります。
【枝の固定】
【固定器】 そろそろ新しい芽が出て来ます。
その前に枝の固定をします。
【固定前】 棚の針金の部分に枝を固定し、伸びて行く方向
を決めます。
【固定後】 固定器のテープで固定し、風などで移動しない
ようにしてあげます。
これをしてあげないと、新芽や蔓は適当な方向
へ伸びてしまうため、大切な作業です。
【作業風景】 毎年違う色(白や青)のテープで実施し、
今年度固定した部分が分かるようにします。
当園では約二週間程度で終了します。
【樹液】 この頃になると、剪定した部分から樹液が出て
来ます。
いよいよ発芽(新梢)の始まりです。
これからが本格的な作業の始まりなのです。
【硫黄散布】
【石灰硫黄合剤】 発芽前に越冬病菌、害虫駆除を目的として
硫黄を枝中心に散布します。
(100L当り5Lの割合)
【ベンレート】 石灰硫黄合剤にベンレート(殺菌剤)と
マイリノー(展着剤)を入れます。
【500Lタンク】 500Lタンクを使用しています。
この中に水を入れ、そして薬を混ぜて消毒
液を作ります。
約2回半(1250L)散布します。
【エンジン】 散布用エンジン
タンクの液を給水し、水圧を上げる機械で
す。本来はSSという専用車で行うのですが、
当園は傾斜地のため、その車が使用出来
ません。
【作業風景】 マスク、手袋、防水服を着用し、行います。
硫黄ですので、臭いがきついのですが、
この散布を怠ると、後々になって取り返しの
付かない事になってしまうので、
大切な作業です。